言の葉の火葬場

心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく、書いて、吐いて、そうしてどこにもいけない、言葉達をせめて送ってあげたい。そんな火葬場。

薄荷色の日

私は砂時計を見ている

 

陽の当たる窓際に置いてある砂時計

不可逆な時間を可逆的に測る砂時計

クオーツのように透き通る秋の光線

薄い薄荷色に縁取られた揺蕩う焦線

 

ポプリは君の香り

私はプラムを齧り

君は静かにページをめくる

 

薄荷色の風が流れ込み

私はたまらず窓を閉める

最後の一粒が柔らかな砂丘に降り

私はカモミールティを注ぐ

 

君は砂時計見ている

私は君を見ている