土手沿いの道、北風が吹いて、たまらずマフラーを鼻の下まで持ち上げる。水と枯草と羊毛の微かな匂いで鼻腔が満たされると、ふっと、チョコレートとオレンジの甘い香りが、思い出された。 人生で初めて、恋人からチョコレートを貰ったのは、土手だった。ひと…
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