言の葉の火葬場

心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく、書いて、吐いて、そうしてどこにもいけない、言葉達をせめて送ってあげたい。そんな火葬場。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

春霞の味

「ねぇ、水素よりも透明な水で作ったウイスキーはどんな味がするかしら。」 貴女は少し眉をひそめ、呆れたように、こう返した。 「海の水なのよ。しょっぱいに決まってるじゃない。塩味よ。」 僕は、夢がないなぁ、とため息まじりに呟いた後、鈴の音の様な味…