言の葉の火葬場

心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく、書いて、吐いて、そうしてどこにもいけない、言葉達をせめて送ってあげたい。そんな火葬場。

青の話

今日もいい天気だ。

片手には、昨晩から良く冷やしておいた、緑色に赤い星マークの、パブでよくみる瓶ビール。水上コテージのテラスに置かれた真っ白なデッキチェアに深く腰掛け、それを一気に煽ると波が砕けるように、喉でじゅわりと発泡した。太陽の眩しさも手伝って、思わず目をぎゅっとつむる。

サイドテーブルにはうず高く積まれた、赤、緑、黄色といった色とりどりの南国のカット・フルーツ。その中のよく熟れたマンゴーをキラキラと銀色に輝く小さなフォークで口に運ぶと、甘くもったりとした芳香が口いっぱいに広がって、私は昨晩の夕焼けを思い出した。

海と空と雲が目の覚めるような朱色に照らされ、メラメラと燃えている。夜が近づくにつれ、その炎は紫色に変わってき、頭上には星が輝き出すのである。

ここはまさに楽園である。

目の前にどこまでも広がる海と空を眺めながら考える。

さて、今日は何をして過ごそう。