言の葉の火葬場

心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく、書いて、吐いて、そうしてどこにもいけない、言葉達をせめて送ってあげたい。そんな火葬場。

赤ずきん

私は赤ずきん

あなたはおおかみ。

 

こんな幼気な私を、丸呑みにするのかしら。

私、肌はみずみずしいのよ。

マスカットみたい。

私、お腹も柔らかいのよ。

ママの作るシフォンケーキみたい。

 

私の細い首にその犬歯を突き立ててちょうだい。

鳴呼、早く、私を食べて。

 

だめよ、これ以上、焦らされたら、私の中の狼がきっとあなたを丸呑みにしてしまうわ。