言の葉の火葬場

心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく、書いて、吐いて、そうしてどこにもいけない、言葉達をせめて送ってあげたい。そんな火葬場。

幼馴染と変曲点

告白して、恋が成就したからって、その瞬間から恋人同士になるわけではないと思う、そう、あなたは言っていた。

人間の関係は不連続ではないのだから、告白した瞬間が特異点になって、ステップ応答のように、関係が変わることなんてありえないとかなんとか、小難しいことを言っていたっけ。変曲点にすぎない、とも言っていたと思う。

私は変曲点という言葉の意味をよく理解できていなかったけれど、なんだかその時、すごくなっとくしてしまったのよね。確かに、あなたと付き合いだしたからといって、私たちの関係は大きく変わらなかったし、なんというか、時間をかけて緩やかに愛し合ったというのが正しいと思う。それでも、確かにあなたが告白してくれたあの日の前後ではっきりと何かが変わったと思うの。

 

今日はね、きっと、わたしたちにとって2度目の変曲点ね。

 

今日から緩やかに、あなたと家族になっていけたらいいと思ってる。

そんな恥ずかしい事を思い出話とともに話すと、あなたは頬を赤らめて、この先の人生は単調増加がいいな、なんて、また小難しいことをいうから、真面目に数学を勉強しなかったことを少しだけ後悔してしまうの。